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買い上げ率が想定以下…苦戦続く百貨店 ハルカス効果も期待外れか

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買い上げ率が想定以下…苦戦続く百貨店 ハルカス効果も期待外れか

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 消費税増税前の26年3月は駆け込み需要もあり、ハルカスができる前の旧店舗に比べて売上高が倍増したが、増税の反動もあって4月から勢いが鈍り、6月以降は増収幅が縮小、計画を下回っている状況。旧店舗に比べて来店客こそ増えたものの、「1人当たりの買い上げ率が目標に届いていない」(担当者)。来店客が買い物をする比率を94%とみていたが、7月末時点でも80%程度にとどまる。

 近鉄百全体の売上高の4割程度を占める本店のつまずきは大きな痛手だ。消費税増税に伴う高額商品の販売伸び悩みや天候不順といった外部要因に加え、集客の目玉に据えた女性向け専門店街「ソラハ」の不振が要因。近鉄百は巻き返しに向けて9月中にソラハへの通路を拡張、地下の食品売り場の配置を見直すなどのてこ入れ策に乗り出すが、全面開業からわずか半年での軌道修正を迫られることになった。

 近鉄本店の8月の売上高(速報値)は全面開業前の前年同月と比べると20%増加したが、ハルカス効果は想定通りとはいえない状態で、苦境を抜け出すまでに至っていない。

 相次ぎ前年割れ

 厳しい環境に置かれているのは近鉄本店だけではない。24年11月に新装オープンした阪急百貨店梅田本店(大阪市北区)も苦戦を余儀なくされているのだ。25年4月~26年3月の売上高は1922億円と、当初目標の2130億円を200億円あまりも下回った。

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  • 阪急百貨店梅田本店=大阪市北区で共同通信社ヘリから

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