買い上げ率が想定以下…苦戦続く百貨店 ハルカス効果も期待外れか
更新大阪の百貨店が苦境から抜け出せない。新規開業・増床ラッシュ後の過当競争に加え、消費税増税による個人消費の冷え込み、天候不順による客足の減少などの逆風にさらされているためだ。
近鉄百貨店とエイチ・ツー・オー(H2O)リテイリングの旗艦店がともに売上高目標の下方修正を迫られ、他の百貨店も足元では苦戦が続く。8月は多くの百貨店が前年同月比で増収になったとはいえ、景気の回復基調にうまく乗り切れず、トンネルの先は見えてこない。
買い上げ率が想定以下
「目標が高すぎた」
8月25日に日本一の超高層ビル「あべのハルカス」(大阪市阿倍野区)に入る本店の売上高目標(平成26年3月~27年2月)を、1450億円から280億円も引き下げた近鉄百貨店の関係者は肩を落とした。
近鉄本店は25年6月に店舗の約7割が先行開業。今年3月にハルカスの展望台などとともに全面開業したのを機に、来店客増加を見込み、売上高目標も前年の923億円の1・5倍超という強気の数字を掲げた。