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「XboxOne」vs「PS4」 任天堂不振…事実上の2強対決へ
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「XboxOne」用のゲームソフト「キネクトスポーツライバルズ」の画面。テレビの上部に設置したキネクトでプレーヤーの体の動きを認識する 米マイクロソフト(MS)が家庭用ゲーム機の新製品「XboxOne(エックスボックスワン)」を日本で4日に発売し、販売が好調なソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の「プレイステーション4(PS4)」との事実上の2強対決に挑む。
ただ、スマートフォン(高機能携帯電話)向けゲームなどに押され、家庭用ゲーム機の需要は縮小傾向にあり、2強の争いが市場のカンフル剤になるかは未知数だ。
MSがXboxの新型機を投入するのは、2005年の「Xbox360」以来約9年ぶり。SCEと任天堂の牙城だった日本で360は苦戦した経緯があり、今回は360発売時の約4倍に当たる30本のソフトをそろえる力の入れようだ。
任天堂の「Wii U(ウィー・ユー)」の販売が不振から抜け出せない状況だけに、日本でも勝機ありと判断したとみられる。
XboxOneは音声や体の動きで操作ができる入力装置「キネクト」の性能を向上させ、カラオケなどのアプリ(応用ソフト)も用意するなど、幅広い層の取り込みを狙う。
XboxOneとPS4はいずれも昨年11月、米国など海外で先行発売。価格面で優位に立つPS4の販売台数は8月に累計1000万台を超えた一方、XboxOneは4月時点で500万台超にとどまっている。
もっとも、ライバルはPS4だけではない。どこでも、いつでも手軽に遊べるスマホ向けのゲームの存在感は大きい。ガンホー・オンライン・エンターテイメントの「パズル&ドラゴンズ」のダウンロード数は3000万を突破。ミクシィの「モンスターストライク」など大ヒット作が相次いでいる。
ゲーム雑誌「ファミ通」によると、欧米で人気のPS4でさえ、日本では発売から半年で約66万台と伸び悩んでいる。
それでも、MSやソニーが家庭用ゲーム機に力を入れるのは、ビジネスの広がりが期待できるからだ。
機器をインターネットに接続することで、ゲームの課金収入だけでなく、有料配信の映画や音楽配信など、さまざまなサービスの収益が見込める。日本MSの泉水(せんすい)敬執行役はXboxOneを「エンターテインメントを楽しむ最高のプラットホーム」とアピールする。
SCEはネット上で情報を処理するクラウドを活用し、テレビなどゲーム機以外でもゲームを楽しめるサービスを米国で始めた。
ゲームの先を見据えた争いの行方は、ユーザーをどこまで囲い込めるかが鍵を握る。