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カプコンの課題 モンハン頼み…国際競争に後れを取る恐れも

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カプコンの課題 モンハン頼み…国際競争に後れを取る恐れも

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モンスターハンターポータブル3rd  ゲームソフト大手のカプコンが、新たな看板ソフトを打ち出せないという課題に直面している。開発の遅れや市場の先読みにつまずいているためで、このままでは国際競争に後れを取る恐れも否めない。

 新作不発

 カプコンといえば、6月の株主総会で会社提案の買収防衛策を否決されたことが波紋を広げた。ただ、それ以上に気になったのは、総会と同じ6月に米国で開かれた世界最大のゲーム見本市「E3」で、目立った新作ソフトをついに発表できなかったことだ。

 ファンの間では「バイオハザードの新作か」との期待も高まっていただけに失望が広がった。海外メーカーは大作ソフトを多数発表しただけに、カプコンの存在感低下が際立った。

 海外では2013年11月に発売された据え置き型ゲーム機「プレイステーション(PS)4」が絶好調で、欧米の各メーカーはPS4向けのゲームを充実させている。しかし、カプコンは小規模のダウンロード専用ゲーム以外にまだPS4でソフトを出せていない。

 モンハン頼み、限界

 海外メーカーに比べて日本メーカーはソフト開発のスピードが遅いとされるが、カプコンが海外でのPS4の売れ行きを見誤った可能性も指摘される。

 ゲーム機の高性能化でソフト開発費が高騰する中、多くの国内メーカーが国際競争で脱落していった。そんな中、カプコンは技術力で欧米メーカーに勝負できる貴重な存在で、実際に欧米にファンも多い。

 カプコンは国内で400万本以上を販売した「モンスターハンター4」の改良版を10月に発売する予定のほか、今年度中にスマートフォン(高機能携帯電話)向けなどにモンハンを初めて中国で配信する。

 とはいえ、モンハンは海外での人気はそれほど高くなく、このままでは国内でしか売れないメーカーになる恐れがある。モンハン頼みから脱却し「日本代表」として世界で通用する大作ソフトを期待したい。(藤原直樹)

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