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フィリップスが美容家電に再参入 日本で販売、競争激化へ

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フィリップスが美容家電に再参入 日本で販売、競争激化へ

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フィリップスが発売する電動洗顔ブラシ「ビザピュア」(左)と光美容器「ルメア」=東京都渋谷区  オランダの電機大手、フィリップスが日本の美容家電市場に再参入する。9月上旬に電動洗顔ブラシなど2製品を投入し、急成長が見込まれる同市場の需要を取り込む。販売好調を受けてパナソニックが品ぞろえを拡大するなど、国産メーカーも取り組みを強化。100カ国以上で美容家電を展開する欧州からの「黒船」襲来で、市場の競争は一段と激しさを増しそうだ。

 洗顔ブラシなど投入

 フィリップスが投入するのは、手洗顔の10倍の洗浄効果があるという電動洗顔ブラシ「ビザピュア」(想定価格1万4800~1万6800円)と、除毛後の肌を手入れする光美容器「ルメア」(同5万9800円)。ルメアは2010年の発売以来、海外で14万台を売り上げた人気商品だ。

 この分野の商品ラインアップを「ビューティーコレクション」と名付け、日本の消費者ニーズにあわせた高い美容効果が実感できる商品に絞って販売していく計画という。

 コンシューマーライフスタイル事業部の鍛冶いく美マーケティングマネージャーは「美容家電で世界のリーディングブランドになる目標の達成には日本での成功が不可欠」と意気込みをみせる。

 フィリップスは50年以上も美容家電を手がけ、400種類以上の商品を持つ。しかし、日本市場からは10年に撤退した。長引く景気低迷で個人消費は盛り上がりを欠き、市場が未成熟だったためだ。

 自宅で手軽にケア

 今回、再参入を決めたのは、日本の美容家電市場が急成長し始めたことがある。野村総合研究所によると、12年に1430億円だった市場規模は15年に約1700億円に膨らむ見通し。景気回復への期待から個人消費は明るさが増した。自宅で手軽に美容ケアをしたいというニーズが高まり、家電量販店への販路拡大、大手メーカーの参入も後押ししている。

 川元麻衣子副主任コンサルタントは「美容への意識が高い20~40代女性や50代以下の可処分所得の多い女性が市場を牽引(けんいん)している」と指摘する。

 こうした市場環境の変化を背景に、パナソニックは初のローラー式美容器「温感エステローラー」(同2万2000円前後)を9月に発売する。昨年9月に発売し、3カ月で20万台を売り上げるヒットになったスチームで目の周りをケアする「目もとエステ」の新製品も投入。男性向けモデル(同1万8000円前後)も用意し、需要の掘り起こしを目指す。

 新興国勢との競争で価格下落が進むテレビなどと異なり、美容家電は「効果や品質を重視して買う人が多く、値崩れが少ない」(電機大手)ことも各社が力を入れる要因になっており、シャープ、日立製作所なども取り組みを強化している。

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