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美容家電、百貨店で女性にアピール 専用コーナー、ブランド価値高める
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横浜タカシマヤに期間限定で出店したヤーマンの特設カウンター=横浜市西区 美容家電製品の拡販に向け、家電メーカー各社が百貨店での販売を強化している。百貨店の1階を占めることが多い化粧品売り場に専用のコーナーを設け、ターゲットとする女性へのアピール効果を高めるとともに、百貨店の信用力を背景にブランド価値を向上させるのが狙いだ。百貨店側も新たな需要の取り込みにつながるとみて、タイアップに積極的だ。
美容院向けなど業務用機器専業だったヤーマンは約10年前、一般向けの美容家電に参入し、テレビ通販や家電量販店などの販路を中心に消費者への浸透を図ってきたが、ブランド力の向上が課題だった。
そこで着目したのが、美容意識の高い女性が集まる百貨店。初めての試みだった昨夏に続いて今春も、横浜タカシマヤ(横浜市)の1階化粧品売り場に23日まで7日間の期間限定でカウンターを特設した。
「使ってみると肌が温まって、顔がキュッと引き締まった感じがしますね」。新製品のローラーを試した女性客がこんな感想を漏らすなど店頭で扱った製品が好評で盛況だったことから、百貨店での常設販売も今後検討するという。
世界有数の化粧品会社、仏ロレアルグループのクラリソニックは19日、ジェイアール名古屋タカシマヤ(名古屋市)で、洗顔器「クラリソニック ミア」の販売を始めた。百貨店への出店はこれで12カ所目。化粧品売り場で美容家電の製品を扱うことで「スキンケアの一つとしての価値を提案できる」(同社)といい、医療クリニックや化粧品専門店と並ぶ重要な販路として今後も拡大する方向だ。
パナソニックも3月中旬から、西武船橋店(千葉県船橋市)の美容と健康をテーマにしたセレクトショップ「キレイガーデン」で、美容家電「パナソニックビューティー」シリーズの展開を始めた。
美容家電の販売は百貨店側にもメリットは少なくない。野村総合研究所によると、美容家電の国内需要は12年の1430億円から14年には1732億円に伸びる見通しで、市場は年々拡大している。横浜タカシマヤは「美容関連の品ぞろえを増やし、美容への関心が高い顧客のニーズを取り込みたい」としている。(米沢文)