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複合機各社、タブレット・スマホ連携強化 新需要取り込み
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タブレット端末を操作して無線LAN経由で印刷が直接できるリコーの複合機 複合機メーカーがタブレット端末やスマートフォン(高機能携帯電話)への対応を急いでいる。
リコーは今後発売する全ての複合機に米アップルの「iPad(アイパッド)」などを操作して直接印刷できる機能を搭載する方針。富士ゼロックスはスマホで撮影したホワイトボードなどの手書き文字をテキストファイルに変換するクラウドサービスを始めた。業務で携帯端末を使う企業が増えており、新たな需要を取り込む考えだ。
リコーは昨年9月、iPadや「iPhone(アイフォーン)」を標準装備するプリント機能「AirPrint」に主力複合機が対応。パソコンなどを使わなくても、タブレット上の文書や画像などを無線LAN経由で印刷できるようにした。
今年2月に発売した普及機「MP 1601/1301」シリーズは、米グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」を使うタブレットにも対応した。「タブレットやスマホにどこまで対応できるかで複合機選びが決まるケースが多い」(同社)といい、今後の新製品には同様の機能を搭載する方針だ。
富士ゼロックスは有料サービスの機能の一つとして、今月16日に「スカイデスク フォトノート」を開始。ホワイトボードに書いた内容や手書きのメモをスマホやタブレットで撮影してクラウドに登録すると、自動でテキストデータに変換する。社内での情報共有やデータの検索・加工を支援し、サービス全体の魅力を高めることを狙う。
IT調査会社のMM総研によると、2010年度に121万台だったタブレットの国内出荷は12年度450万台に急増。一方、12年の複合機・複写機の国内出荷は前年比6.7%増の55万8000台。ただ「特需」は今後期待できず、各社はタブレットやスマホとの連携に商機を見いだしている。