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ベトナムのPC市場成長に陰り タブレットやスマホに勢い

ニュースカテゴリ:政策・市況の海外情勢

ベトナムのPC市場成長に陰り タブレットやスマホに勢い

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 米調査会社のIDCが発表したアジア太平洋地域のパソコン市場に関する最新リポートによると、ベトナムのパソコン出荷台数は、2012年第4四半期(10~12月期)に63万8000台となり、前期比で20.5%、前年同期比で3.4%、それぞれ増加した。年末商戦が活発だったことなどが奏功した。国営ベトナム・ニューズが報じた。

 ただ、同リポートは、13年の市場予測について消極的な見方をしている。デスクトップ型やノート型のパソコン販売が、急速に普及しているタブレット型端末やスマートフォン(高機能携帯電話)の勢いに押されているからだ。

 IDCベトナムのアナリストは「価格が手ごろなタブレット型端末やスマホに対抗するため、13年は超薄型モデルの価格をさらに下げる必要が出てくるだろう」と述べた。

 一方、法人向けパソコン市場は、第4四半期も引き続き振るわなかった。ベトナム経済の先行きに不透明さが増していることが理由に挙げられる。

 IDCの東南アジア諸国連合(ASEAN)地域担当者は「ベトナムでは信用収縮が進行中で、ほとんどの中小企業と一部の大企業が資金難に陥っている。13年のIT(情報技術)分野の支出に影響が出るだろう」との見方を示した。

 同国のパソコン販売シェアは、台湾のエイスースが首位で17.8%を占め、強力な流通網と積極的な販売促進活動で足場を固めている。2位は米国のデルで15%。優れた流通管理態勢を武器に、個人向けと法人向けともに出荷台数を増やしている。以下、3位が台湾のエイサー(10.2%)、4位が米ヒューレット・パッカード(9.1%)、5位が中国レノボ(6.2%)の順だった。(シンガポール支局)

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