ふるさと納税、過熱競争の収束へ制度正念場 高額返礼の見直しで明暗 (3/3ページ)

奈良県桜井市では返礼品を増やすことを発表した=2017年9月
奈良県桜井市では返礼品を増やすことを発表した=2017年9月【拡大】

 使い道に賛同する人からインターネットで寄付を集める取り組みも浸透する。生活が苦しい家庭の子供に食事を届ける事業(東京都文京区)や、絶滅危惧種のアマミノクロウサギの保護事業(鹿児島県徳之島町)などさまざまだが、地域の課題解決を目指す制度の趣旨に沿った使われ方だ。

 一橋大大学院の佐藤主光教授(財政学)は「競争の主体を返礼品から寄付の活用策に変えていく時期にある」と指摘。返礼品については「拘束力のあるルールを定め、守らない自治体は制度の対象外にするような踏み込んだ議論が必要だ」と述べた。