一方、カメラや掃除機など家電の返礼品をやめた自治体は苦戦している。長野県伊那市は寄付額が16年度の2位(72億円)から17年度は179位(4億4900万円)に下落。16年度3位だった静岡県焼津市も寄付額が半分に減った。パソコンの取り扱いをやめた山形県米沢市も落ち込んだ。
「寄付者はどの自治体が得かをショッピング感覚で選ぶ。足並みをそろえてもらわないと困る」。見直しで寄付を大幅に減らした自治体の関係者は憤る。
拘束力あるルールも
「他の自治体に迷惑をかけないよう速やかに見直しを行っていただきたい」。野田聖子総務相は6日の記者会見で不満をあらわにした。総務省は今回、要請に応じなかった一部の自治体名を初めて公表した。国民の批判が高まれば、制度自体が立ち行かなくなるという危機感が背景にある。幹部は「収束には少し時間が必要かもしれないが、それでも改める気がないなら対応を考えなければならない」と語った。
高額な返礼品に頼らず、地域に役立つ使い道を模索する動きも広がりつつある。
秋田県湯沢市は寄付した人へのお礼として雪下ろしの代行を始めた。市内に高齢の親を残して都会で働く人の受け皿となるとともに、豪雪地帯特有の課題を乗り越えようと知恵を絞った。