健康づくりにポイント付与制度が広がる 商品券などと交換…医療費の抑制にも期待 (2/3ページ)

体操する木下郁子さん(左)ら=2日午前、大阪府高石市(猿渡友希撮影)
体操する木下郁子さん(左)ら=2日午前、大阪府高石市(猿渡友希撮影)【拡大】

 プロジェクトには約2千人が参加しているが、うち8割がもともと運動に無関心だったり、不十分だったりした人だという。これまでの取り組みの結果、参加者の歩数は、国が推奨する1日8千歩を上回った。さらに、1人あたりの年間医療費の平均額は参加していない人と比べ、7.7万円(27年度)も少なくなった。

 こうした効果を踏まえ、同市は29年10月から、独自で「健幸ポイント事業」をスタートした。ウオーキングや体操への参加、検診の受診などでポイントがたまる仕組みで、これまで約2800人が参加。健康に関する講演会には多くの市民が集まっており、市の担当者は「効果に手応えを感じている。もっと多くの人に参加してもらい、ますます健幸なまちにしたい」と話した。

 一連のプロジェクトを主導してきた筑波大大学院・人間総合科学研究科の久野譜也(しんや)教授(健康政策)は「健康無関心層の掘り起こしに、ポイント制度などのインセンティブは有効で、多くの自治体が取り入れている。今後は、各自治体がより魅力的な健康事業を行えるようより知恵を絞ることが必要だ」としている。

 328市町村が導入 2年後倍増めざす

 健康づくりとポイント付与を組み合わせた自治体独自の取り組みは全国各地で広がっている。医療費抑制への対策との側面もあり、国もガイドラインを策定するなどの支援に乗り出している。

市域を超えた取り組みを開始