満身創痍の財務省、モザイク人事限界に 次官人事、本命「見送り?」で意外な2人が浮上 (2/4ページ)


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 麻生太郎財務相は18日の記者会見で次官人事に関し「(6月20日が会期末の)国会会期中にやりたい」と話した。佐川氏らの処分を経て発令するが、極めて異例のものになりそうだ。

 セクハラ問題で辞任した福田淳一前次官(82年入省)の後任として本命視されてきたのは岡本薫明(しげあき)主計局長(83年入省)。予算編成を担う主計畑を歩み、「10年に1度の大物次官」といわれた勝栄二郎氏(75年入省)の“秘蔵っ子”とされる。だが、佐川氏が国会で事実と異なる答弁を繰り返した際の官房長で国会対応の責任者であり、次官に就任させれば政権に批判が集まるのは確実。今回、財務省は岡本氏の就任を「1回見送り」としたい考えで官邸も容認している。

 同期入省の星野次彦主税局長の昇格案もあるが、国税庁長官が有力視される。太田充理財局長も同期だが、大臣官房ナンバー2の総括審議官だったことから難しいとみられる。

 そこで浮上しているのが2人の意外な名前だ。1人は国際部門を統括する浅川雅嗣財務官(81年入省)。日米経済対話や通貨外交で腕を振るい、任期は異例の3年目。麻生氏が首相時代の秘書官で「麻生氏の考えを知りたければ、浅川さんに聞けばよい」(財務省関係者)といわれる懐刀だ。

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