輸入制限で米経済に“自爆”懸念 雇用喪失14万人超、ブッシュ政権の二の舞いも (3/3ページ)


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 さらに父親のブッシュ大統領時代にさかのぼると、1992年6月、複数の米鉄鋼メーカーが日本製の鋼材をダンピング(不当廉売)提訴。その後、自動車などに使う表面処理鋼板が米鉄鋼産業に被害を与えているとして日本製が「クロ」判定を受けた。日本製に最高で40%を超す反ダンピング関税が確定した。

 だが、こうした保護主義的な政策が米国メーカーを守り、コスト削減や技術開発を遅らせた側面もある。「米国メーカーの競争力が低いため、輸入制限などに頼らざるを得ない悪循環に陥っている」(大手鉄鋼幹部)との指摘もある。

 トランプ大統領は、輸入制限の発動を命じる文書への署名を翌日に控えた3月7日、ツイッターでこう、つぶやいた。

 「父ブッシュ政権から現在まで、わが国は600万人の雇用を失った。(その理由は)悪い政策とリーダーシップだ」

 だが、トランプ氏もまたブッシュ親子と同じ轍(てつ)を踏もうとしている。