輸入制限で米経済に“自爆”懸念 雇用喪失14万人超、ブッシュ政権の二の舞いも (1/3ページ)


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 トランプ米政権が発動した鉄鋼とアルミニウムの輸入制限が、米国経済にも深刻な打撃を与えるとの懸念が広がっている。2002年のブッシュ(子)大統領時代の輸入制限では鉄鋼価格の上昇を通じ20万人の雇用が失われたとの見方もあり、今回も同様の試算がある。トランプ大統領が強硬姿勢を改めなければ、今回の措置が米国経済にとって“自爆行為”となる恐れが強まっている。(大柳聡庸、ワシントン 塩原永久)

 「販売価格が上昇してしまう…」。米国際自動車ディーラー協会は鋼材の値上がりを受け、米国製自動車の価格が上昇し、競争力が低下することを警戒する。

 トランプ政権は3月23日、鉄鋼とアルミニウムの大量流入が安全保障上の脅威になっているとして、鉄鋼に25%、アルミに10%の高関税を課す輸入制限を発動した。

 関税で安い輸入品が流通しなくなり、それにつられて米国製などにも価格上昇圧力がかかる。市場関係者によれば、代表的な鋼材で自動車などに使われる熱延鋼板の米国市況は、輸入制限発動後に1トン当たり1千ドル超となり、発動前に比べ2割超も上昇したという。

 ただ、日本製は自動車向け線材や石油開発用の鋼管など特殊な鋼材が多い。代替品がなく、今のところ日本の輸出が極端に減るといった影響はない。むしろ、値上がりした日本製を輸入せざるを得ない米国のユーザーに負担を強いている。

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