仮想通貨の規制をめぐる議題では、世界に先駆け導入した日本の仮想通貨交換業者の登録制の取り組みを麻生氏主体で発信する思惑があったが、あてが外れた。今後、改竄問題で麻生氏が求心力を低下させれば国内外の政策にも影響が及びかねない状況だ。日米両政府が貿易やインフラ投資など経済分野を議論する経済対話でも、麻生氏が改竄問題の対応に追われれば会合の日程調整すら難しい。
影響は国内の税財政政策にも及ぶ。政府は、新たな財政健全化目標の策定作業を6月に向けて本格化させるはずだったが、議論は改竄問題で停滞。来年10月に予定される消費税率10%への引き上げ準備を加速させる必要もあったが、改竄問題で、予定通り引き上げるかどうかについて疑義が生じ始めている。(今井裕治)