私が経験した中で最悪のケースは、機内に乗せられたまま4時間も待たされた後、飛んだはいいが、機体異常とのことで、目的地ではない都市に着陸し、その都市で知らない中国人男性と相部屋で1泊したことだ。
だったら、最初から飛ばないとか、せめて出発地の空港に戻るとか、最悪でも、知らない人との相部屋は避けるとか、そのような配慮がされそうなものだが、文句を言ったら、ただただ、まずい弁当を出されることの繰り返しだった。
それに比べると、2時間の遅延というのはだいぶましになったといえるだろう。このような状況は、中国のビジネスマンにとっては慣れたもので、最初から中国の国内線は遅れると思っている。例えば、明日の午後、別の都市でミーティングがあるとする。当日の午前中に出発すると飛行機の遅延で間に合わないので、ミーティングが重要であれば、必ず前日の夜に出発する。
日本と中国の国内線事情はこれだけ違っている。これは、両国企業の時間厳守に対する考え方の違いだけの問題ではない。日本と中国では国土の広さも、空港の数も、移動する人の数も全く違う。そういう事情もあって、仕方がないことなのかもしれない。15年前を思えばかなり改善されているし、長い目で見ればさらなる改善も見込めるだろう。