【激震・朴政権】サムスントップの逮捕状棄却 「世論迎合捜査」宿命づけられた韓国特検のつまずき…「正義は死んだ」ネットにあふれる非難 (2/2ページ)

 特検は、大統領の疑惑解明という世論の高まりを受けて設置された。それだけに、世論の関心が捜査対象にも反映されている。

 朴政権が批判的とみなした韓流スターら9400人を掲載した「ブラックリスト」の作成疑惑もそうだ。特検は作成を主導したとして18日に金淇春(キム・ギチュン)元大統領秘書室長と趙允旋(チョ・ユンソン)文化体育観光相の逮捕状を請求した。

 崔被告の娘、鄭(チョン)ユラ氏(20)の名門、梨花(イファ)女子大への裏口入学問題も、若者らの怒りを買い、朴氏の退陣を求めるデモに火をつけた。特検は教授や前学長を逮捕するなど捜査を進めているが、肝心の鄭氏はデンマーク当局に拘束されたまま、帰国していない。

 国民最大の関心事といえるのが、不正診療疑惑を含め、旅客船セウォル号事故当日、朴氏の動静が不明とされた「空白の7時間」問題だ。ただ、朴氏への聴取が実現しない中、捜査が最も遅れている問題とされる。

 財閥トップへの逮捕状の棄却を受け、ネット上には「司法は最も腐敗している」「正義は死んだ」と地裁の決定を一方的に非難する書き込みがあふれた。特検がよって立つ世論という存在の危うさも浮かぶ。(ソウル 桜井紀雄)