--テクノロジーでは大きな転換点を迎えているとされるが
「グーグルやアップルなどは、インターネットを使ったプラットフォームビジネスで先行した。日本はモノに寄った形でのテクノロジーの発展を遂げており、いまさらプラットフォームビジネスで勝負していくのはかなりの困難を伴う」
「モノの強みを生かしていくべきで、モノとネットワークを連携させた『フィジカルサイバーシステム』、情報とモノのハイブリッドといった分野からのアプローチを考えていくべきだ」
--そこに日本の勝機があるのか
「特に必要なのが、ビッグデータと人工知能(AI)の活用だ。AIはディープラーニングと呼ばれる新しい次元に入っており、画像認識などはより精緻に、さまざまな解析ができるようになっている。これまで日本の企業も、実現に向けて水面下で取り組んできた。今年はそれを顕在化させ、明確にしていくときだ。もはや議論の時期ではない。実行の時だ」
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【プロフィル】小林喜光
こばやし・よしみつ 東大大学院修了。1974年三菱化成工業(現三菱化学)。三菱ケミカルホールディングス社長を経て2015年4月から会長。15年4月から経済同友会代表幹事。70歳。山梨県出身。