【新春に語る】体力あるうち 危機に備え「先取り」 (2/3ページ)

2017.1.1 05:00


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 --世界経済のリスク要因は

 「政治が攪乱(かくらん)要因だ。米国がロシアや中国に対し、どういった外交政策をとるかなどによっては、大きな混乱もあり得る」

 --経営者に求められることは

 「企業としては、より長期的な視点に立った経営が必要だ。現在の円安株高を歓迎はするが、これまでの経験からインフレやリーマン・ショックのような危機が到来することも考えなくてはならない」

 「ならば、経済を取り巻く環境がよく、体力がある今のうちに、次の危機に備えておくことが重要だ。今年は酉年だけに、『先取り』がキーワードだ。『アリとキリギリス』なら、経営者はアリでなくてはならない」

 --具体的には

 「まずは、次世代を意識した研究開発を進めておくことだ。それに加えて、収益の上がらない事業は整理し、強いもの同士が経営統合や再編でくっついて、余った資金を次の投資に活用するといった素早いアクティビティーが求められる。そういった統合の際に、多くの人材を新しい分野で吸収できるような労働市場の流動性が必要だが、政府にはそういった改革を求めていきたい」

 「同時に、収益に加え、持続性を考えた経営も必要だ。世界的な人口増加、水不足への対応、CO2(二酸化炭素)削減などの、社会的な問題を事業につなげていくことが重要だ。経済同友会が打ち出してきた『Japan2.0』でも強調しているが、日々の収益、将来に向けたイノベーション、そして持続可能性の確保の3軸を最大化させる経営の取り組みが不可欠だ」

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