“反日戦略”で打ち切りの日韓通貨スワップに再開論浮上 専門家が警告「安易に受け入れるな」 (2/4ページ)

 それにもかかわらず、韓国の李明博(イ・ミョンバク)前大統領は2012年8月10日、竹島上陸を強行し、天皇陛下の謝罪まで要求。朴大統領も、米中首脳らとの会談で日本批判を繰り返す「告げ口外交」で日本国民の感情を逆なでした。

 日韓関係が冷え込んだ結果、昨年2月に満期を迎えた協定の延長議論は出ず、打ち切られた。

「ハイパーインフレ」警戒

 今夏、日韓通貨スワップ再開の議論はなぜ急浮上したのか。背景には、金融市場の混乱と韓国経済の柱である輸出産業の不振がある。かつて低価格戦略で世界を席巻した韓国製の家電や自動車は人件費高騰によるコスト高が深刻化し、国際競争力を失いつつある。

 8月末には、韓国最大手、世界7位の海運会社である韓進(ハンジン)海運が経営破綻した。韓国企業の輸出力低下が海運ビジネスを縮小させたとの見方もある。

 一方、6月には、英国民投票でEU離脱派が勝利。事前予想を覆す結果に投資家のリスク回避姿勢が強まり、ウォンや人民元などの新興国通貨が軒並み売られた。円高ウォン安は一見、韓国の輸出産業には有利のようだが、ウォン安が進みすぎると、輸入物価の高騰などで家計が苦しくなる。

ウォン安に歯止めが掛からなくなり「ハイパーインフレ」を招く恐れも