農水史に残るJA幹部の勘違い発言に小泉進次郎氏がぶち切れ 会合で公開説教 (4/5ページ)

自民党の小泉進次郎農林部会長(左から2人目)はJA全農の神出元一専務(右)と農業改革の方向性で一致したはずだったが…=9月5日、東京都千代田区(西村利也撮影)
自民党の小泉進次郎農林部会長(左から2人目)はJA全農の神出元一専務(右)と農業改革の方向性で一致したはずだったが…=9月5日、東京都千代田区(西村利也撮影)【拡大】

 改革に後ろ向きな中野氏、それを批判する小泉氏の対立構図は多くのマスコミに取り上げられた。発信力の強い小泉氏のメディア戦略もあってか、中野氏は「改革に後ろ向き」との印象が広く植え付けられることになる。

 それを感じてか、中野氏は同月29日、「『全農は改革に消極的』とのご指摘や一部報道がありましたが、もちろん全農は改革に積極的に取り組んでいる。言葉足らずだったこともあり、皆様に誤解を与えてしまったと反省している」と、異例の謝罪コメントを発表し、火消しに奔走し始めた。

 それでも小泉氏の怒りは収まらない。8月25日の講演会では、「(7月22日のJAの会見で)ビックリしたのは、JA再編の必要性を真っ向から否定された中野会長(と他のJA幹部との対立)という構図で、JAグループも中でご苦労されている」と痛烈に皮肉り、中野氏のグループ内での孤立感を際立たせた。

崩れる神出氏との信頼感

 その後、すっかり意気消沈した中野氏は表舞台から影を潜め、自民党の部会や小泉氏との懇談は神出氏が対応するようになった。

神出氏に代わり、小泉氏も手応えを感じていたものの…