GDP年率上方修正も…個人消費弱く、企業部門精彩欠く 民需強化の抜本改革が急務 (1/2ページ)

 2016年4~6月期の実質国内総生産(GDP)改定値は、年率こそ上方修正されたものの、企業の設備投資の動向に頭打ち感が見られるなど、景気のもたつきが再確認される格好となった。

 上方修正の大きな要因となったのは、不動産業や鉄鋼業、化学工業の好調を受け、設備投資が前期比0.4%減から0.1%減へと引き上げられたことだ。

 ただ、設備投資の水準は依然マイナスにとどまり、前期(1~3月期)も0.6%減だったことを踏まえると、「設備投資に頭打ち感が出ている」(第一生命経済研究所の新家義貴主席エコノミスト)。企業動向に左右される輸出も1.5%減に沈み、4~6月期GDPは、企業の慎重姿勢を示す形となった。

 GDPの約6割を占める個人消費も0.2%増と、力強さを欠く。15年度補正予算の執行がGDPを下支えする「公需頼み」の構図は速報値と変わらず、「景気は引き続き踊り場状態」(新家氏)との見方が出ている。

企業が安心して投資を増やし、消費拡大を促す賃上げを続けるには?