経常黒字、7月として最大 1兆9382億円 原油安が影響

 財務省が8日発表した7月の国際収支(速報)によると、海外とのモノやサービス、投資の取引状況を示す経常収支は1兆9382億円の黒字だった。黒字は25カ月連続。原油安により貿易・サービス収支が前年同月の赤字から黒字に転換したことで、比較可能な1985年以降、7月として最大の黒字となった。

 輸出から輸入を差し引いた貿易収支は6139億円の黒字で、前年同月の赤字から黒字に転じた。原油価格の下落で輸入額が前年同月比26.0%減と19カ月連続で前年割れしたことが貢献した。輸出額は、中国による過剰生産で価格が低下している鉄鋼が振るわなかったことなどから、15.7%減と11カ月連続でマイナスとなった。

 旅行者のお金の出入りを示す旅行収支の黒字は1474億円となり、前年同月から黒字幅を拡大。訪日外国人客が急増しているためで比較可能な96年以降、7月として最大の黒字だった。

 海外投資から得られる利子や配当を示す第1次所得収支は1兆6938億円の黒字。ただ円高により、証券投資収益の受け取りが減ったことなどで、前年同月から黒字幅を縮小した。