中国からまさかの「お役ご免」 AIIB要職人事でゴタゴタに揺れる韓国 (1/6ページ)

 中国主導の国際金融機関、アジアインフラ投資銀行(AIIB)の要職人事をめぐるゴタゴタに韓国が揺れている。AIIB副総裁に就いた洪起沢(ホン・ギテク)氏が韓国産業銀行(KDB)会長時代に関わった造船会社で不正会計が発覚し、辞任を余儀なくされたのだ。中国になびいて36億ドル(約3800億円)もの巨費をAIIBに投じたにもかかわらず、重要ポストをなくした韓国では、責任を追及する声があがっているほか、中国政府に対する不信感も強まっている。AIIBは昨年末の発足から1年もたたずして、組織の歯車がぎくしゃくとしてきた。

韓国の逸材、4カ月で失墜

 渦中にある洪氏とはどんな人物なのか。

 韓国メディアなどによると、洪氏は米スタンフォード大学で経済学博士を取得し、韓国の中央(チュンアン)大学校の教授に就いていた。2013年からは韓国政府系の韓国産業銀行(KDB)の会長を務めるなど、政府の信頼は厚く、朴槿恵政権の経済ブレーンともいわれる。

 韓国政府のお墨付きもあって、今年2月に最高リスク管理責任者(CRO)として、AIIB副総裁に選任。5つある副総裁ポストのうち、1つを韓国が獲得したことに、世論は沸き立っていた。

 しかし、そのわずか4カ月後、洪氏は失墜の憂き目にあう…。

伏線は、経営不振の大宇造船をめぐる不正会計の発覚だ