安倍晋三首相は30日夜、英国の欧州連合(EU)離脱が決まったことを受け、キャメロン英首相、メルケル独首相とそれぞれ電話会談した。安倍首相はキャメロン氏に日系企業の事業活動継続に向けた支援を要請し、「日系企業を守るためにあらゆる手段を行使する」との確約を得た。メルケル氏にはEUと交渉中の経済連携協定(EPA)の年内早期妥結を目指す方針を伝えた。
安倍首相は会談後、公邸前で記者団に「英国とEUが協調し、市場の不安を払拭して今後の予測可能性を高める明確なメッセージを迅速に発出するように求めた」と述べた。
また、「主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)での合意を踏まえ、G7(先進7カ国)が一致協力して世界経済の成長と、金融・為替市場の安定に全力を尽くしていくことで完全に一致した」とも指摘。先行き不透明な世界経済が悪化しないよう、両首脳にリーダーシップを発揮するよう求めたことを強調した。
電話会談は日本が要請。メルケル氏との会談は、EU内で政策の中心的役割を担うドイツとの連携を重視して行った。