政府・与党は22日、2016年度税制改正で、専業主婦らがいる世帯の税負担を軽くする「配偶者控除」の見直しを見送る方針を固めた。来年夏の参院選を控えて、世帯によっては増税となる見直しに与党内で慎重な意見が多く、改正は、17年度以降に持ち越す。11月下旬から本格化する与党の税制改正議論では、消費税増税時の軽減税率の制度設計と、ビール類の酒税の見直しが最大の焦点になる。
配偶者控除は、妻の年収が103万円以下なら、夫の課税対象となる所得から38万円(住民税は33万円)が差し引かれ、所得税と住民税の負担が軽くなる仕組み。この恩恵を受けるため働く時間を意図的に減らして、年収を抑える主婦も多く「女性の社会進出を妨げている」との指摘もある。
このため、政府は来年度改正で、現行の制度を見直し、妻の収入にかかわらず一定額を夫の収入から差し引く「夫婦控除」を導入する方向で検討してきた。しかし、見直し後は、専業主婦世帯では増税となるケースもあり、自民、公明党内で慎重な意見が多い。