現地報道によると、修理費は1000万ウォン(約110万円)かかるといい、結局、霊光郡は故障した19台を売りに出した。その価格は90~120万ウォン(約10~13万円)で、購入価格2160万(約238万円)の20分の1程度。約3年でクズ鉄扱いとなった。
「軍の技術を見習え」とは…
こんなトラブルと相前後して、韓国の産業通商資源部と国防部が「軍が保有する技術の民間転用」について話し合った。協議は2月13日に行われ、国防科学技術研究所が担当部署となって、軍の技術の民間転用を推進するという。欧米では軍の技術というと頑丈で壊れにくく、信頼性が高いとか最新技術だと認識できる。いわゆる「NASA御用達」と同様のイメージだ。
ところが、韓国は違うと思い知らされる事件が今月2日に明らかになった。暴発騒ぎで配備が何度も中断した韓国製K-11小銃の弾薬に欠陥が見つかり、全量廃棄の可能性が浮上しているのだ。
カタログスペックは素晴らしいが
朝鮮日報(電子版)によると、同小銃から発射する20ミリ空中炸裂(さくれつ)弾が、「低周波帯域の高出力電磁波に影響を受ける」ことが国防科学研究所の調査で判明した。
この特殊弾は、遮蔽物の向こうにいる敵を攻撃するためのもの。レーザー測距儀で正確に距離を測り、敵兵の頭上で爆発するよう設定できるハイテク弾だ。
同研究所は、低周波帯域の電磁波は自然環境下では発生しないが、北朝鮮が電子攻撃を仕掛けてきた場合、発射する前から爆発する可能性があると指摘。5月にも専門機関で実験し、結果によっては納入済みの約15万発、240億ウォン(26億4千万円)分を廃棄せざるを得ない可能性があるという。
こんな技術を民間に転用とは…。「公」も「民」も粗製乱造のそしりは免れない。