ただ、原油相場はその後も下落傾向にあり、市場では、物価上昇率が今春にもマイナス圏に入るとの予測もある。
これに対し、黒田総裁は「原油価格下落による経済成長へのプラス効果も出てくる」と述べ、物価は次第に上向いてくるとの見方を示した。現時点でさらなる追加緩和を検討する必要性はないとの考えだ。一方、「必要があれば躊躇(ちゅうちょ)なく(緩和する)ということは変わらない」とも話した。
一方、同日、本格的に始まった今年の春闘に関連し、黒田総裁は「企業収益は好調で、労働市場は完全雇用に近い。賃金の上昇を実現する環境は整っている」と強調し、所得から支出へとお金を回していく経済の好循環の実現に期待感を示した。