日銀は18日、金融政策決定会合を開き、現行の大規模な金融緩和策の継続を賛成多数で決めた。会合後、記者会見した黒田東彦総裁は「今の時点で物価の基調は変化していないので、追加的なことを今すぐ検討することはない」と述べ、昨年10月末に続くもう一段の追加緩和を検討する段階にはないとの認識を示した。
昨年10~12月期の実質国内総生産(GDP)が3四半期ぶりにプラス成長となったことを踏まえ、国内景気の現状判断は「緩やかな回復」との表現を17カ月連続で据え置いた。黒田総裁は「生産も持ち直し、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動減という意味での下押し圧力は収束しつつある」などと述べ、景気が回復傾向にあるとの見解を示した。
景気の個別項目では、鉱工業生産の判断を、国内外の需要を背景に在庫調整が進んでいるとして「下げ止まっている」から「持ち直している」に上方修正した。
このほか、輸出も「持ち直しの動きがみられる」から「持ち直している」に判断を引き上げた。
日銀は2015年度を中心とする期間に消費者物価の上昇率2%を安定的に実現することを目指している。昨年10月末には、原油安で物価上昇期待が薄れるとの懸念が出たことから、追加緩和に踏み切った。
追加緩和の効果について、黒田総裁は「マイナスの効果があるとは全く思っていない。今後も政策を続けることで、累積的に経済・物価に対してプラス効果を持つ」と評価した。