政府は22日午前、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」とみられるグループから殺害予告を受けた日本人2人の救出に向け、現地対策本部を置くヨルダンなど中東諸国や欧州各国との情報交換を続けた。菅(すが)義(よし)偉(ひで)官房長官は記者会見で、いまだ2人の安否は確認できず、犯行グループ側から連絡がないことを明らかにした。引き続き交渉ルートの確保や2人の安否確認作業を急いでいる。
菅氏は記者会見で、身代金の支払期限まで時間が迫っていることを踏まえ、「人命救助のため、ありとあらゆる可能性を探っている。一刻も早く解放するのが国の基本方針だ」と述べた。
菅氏はまた、「日本が(イスラム国対策として)表明した支援は、中東の生活向上のためで非軍事だ。犯人が主張するようなイスラム世界の人々を殺傷することでは全くない」と日本政府の立場を改めて説明。同時に「テロに屈することなく、国際社会によるテロへの取り組みに貢献する」とも強調し、安倍晋三首相が指示した「人命第一」の対処方針とは、「相反しない」と指摘した。