タイのプラユット暫定首相が近く来日する。安倍晋三首相との首脳会談などが行われる予定で、日本はタイがミャンマーと共同開発するダウェイ経済特区(SEZ)開発支援を表明する予定だ。しかし、同特区開発は資金のめどさえたたず、タイ、ミャンマー両国は日本への丸投げを狙う。日本もそろそろ従来のばらまき姿勢を見直すときだろう。
タイは東南アジア諸国連合(ASEAN)のなかで日本からの投資を最も多く受け入れている。一方、タイの貿易相手国では中国が最大のお得意様だけに、経済面でタイは、中国と日本との間でバランスをとってきた。そのバランスが最近、崩れている。
日本はこの数年、タイ縦断高速鉄道の建設計画を提案してきた。インフラ輸出に力を入れる安倍首相は、昨年11月のミャンマー・ネピドーで行われた首脳会談でも、プラユット首相に鉄道建設を売り込んだ。