産経新聞社は8日、FNN(フジニュースネットワーク)と合同で実施した電話世論調査(4~7日)に全国総支局の取材を加味し、14日投開票の衆院選終盤情勢をまとめた。自民党は、平成21年に民主党が単独政党として獲得した現行憲法下での最高議席(308議席)を上回り、衆院の3分2に当たる317議席をうかがう勢い。民主党は目標の100議席は難しい情勢だ。共産党は前回(8議席)の倍増をうかがう勢いだが、その他の野党は軒並み苦戦を強いられている。
産経新聞など報道各社は序盤情勢で「自民300議席超」と報じたが、自民党は勢いを維持している。
選挙区(295議席)のうち200議席前後を固め、優勢の選挙区を含めると約220議席となる見通しだ。激戦区でも半数以上でやや優位となっている。青森、群馬、山口など21県で選挙区全勝の可能性がある。大都市圏では東京、神奈川などで地滑り的勝利を狙える勢いで、前回衆院選で旧日本維新の会が躍進した大阪でも健闘している。
比例代表(180議席)では、前回(57議席)を大幅に上回る80議席が射程に入った。
公明党も、公示前の31議席以上を確保する公算が大きい。参院で法案が否決されても衆院で再議決して可決するために必要な議席の3分の2を自公両党で上回るのは確実で、焦点は自民単独で3分の2を握るかどうかに絞られている。
民主党は、前回獲得の57議席から10議席以上の増加が見込まれるが、目標の100議席は極めて難しく、80議席にも届かない可能性がある。維新の党も25議席前後にとどまり、公示前勢力の42議席から激減する見通しだ。次世代の党、生活の党、社民党は比例での議席獲得に苦戦しており、選挙区でも一桁台に低迷するのが確実だ。
ただ、接戦区が約40選挙区あり、選挙区によっては態度未定の有権者が約4割を超えているため、情勢が変化する可能性がある。
◇
■世論調査の方法
サンプル数は4万936。平成26年9月末の選挙人名簿を基に、選挙区ごとに満20歳以上の有権者から男女別・年代別の構成割合に応じて調査対象を抽出。電話番号を無作為発生させるRDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)方式で算出した回答数が得られるまで電話調査を行った。