政府が掲げる成長戦略の柱の一つである医療分野の新市場として期待される再生医療に、国内の製薬企業が本腰を入れ始めた。組織の新設や合弁会社の立ち上げなどで開発環境を整備、成長性が見込める再生医療関連市場での担い手の一端を狙う。
iPS細胞を活用
大日本住友製薬は、ベンチャー企業のヘリオスと折半出資で今年2月に設立した「サイレジェン」の資本金を年明けにも増額する。
サイレジェンは、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を活用した医薬品開発を手がけており、目の難病「加齢黄斑変性」の治療薬開発を目指す。現在は製造方法などの詳細について出資する両社で詰めており、増資により商用生産へ備える。
大日本住友の木村徹再生・細胞医薬事業推進室長は「今後どんな治験が求められるかも分からないため、時期が遅れるおそれもあるが、早ければ2018年の実用化を目指す」と説明する。