ジャカルタは朝夕の交通渋滞がすさまじい。1時間で行けるところを3、4時間はざらだ。半日の仕事も1日がかり、物流も他国なら1日2往復が可能なのに1往復しかできない。渋滞による経済的損失は年間68兆ルピア(6120億円)という民間の試算もある。
そんななか、渋滞解消の切り札と期待される地下鉄工事が日本のゼネコン(総合建設会社)を中心に始まった。
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インドネシアの首都ジャカルタの人口は2010年の統計で約960万人。アジア有数の大都市にもかかわらず、これまで地下鉄が開通していない。人々は地上で移動するしかなく、1日に700万人が都心を行き交い、200万台の車が走る。道路は車やオートバイであふれかえっている。人口がほぼ同じ規模の東京で地下鉄がなければ、地上の道路はどんな状況になるのかを想像すると混雑ぶりが思い浮かぶだろう。