経済開発が進むカンボジアで、中国が道路建設などインフラ支援を加速させている。中国は2010年、経済援助額で日本を抜いて首位に立った。首都プノンペンでは、日本からの援助の象徴として市民に親しまれてきた橋に並行して中国が新たな橋を建設中で、存在感でも日本をしのぐ勢いだ。(プノンペン 吉村英輝、写真も)
プノンペン市のトンレサップ川にかかる「カンボジア日本友好橋」(全長約710メートル)は、市街地と対岸の住宅地をつなぐ生活の大動脈だ。トラックや「トゥクトゥク」と呼ばれる三輪タクシーが、時には対向車線にはみ出しながら昼夜行き交っている。
橋の建設事業は日本が1959年、国際入札で落札。63年に完成して通称「日本橋」と呼ばれるようになったが、70年代前半に内戦で破壊されたまま放置された。停戦発効を受けて日本が無償支援し、94年に復旧して現在の名前となった。
その後、人口増加と都市化で橋の拡張が必要となり、中国が2010年9月に並行して第2橋を建設することでカンボジア政府と合意した。