NHKの籾井(もみい)勝人(かつと)会長は31日、衆院予算委員会に参考人として出席し、就任記者会見で慰安婦問題に言及したことについて「誤解と迷惑をかけ、誠に申し訳ない」と陳謝した。その上で、「今後は放送法に基づき職責を全うしたい」と述べ、会長職を続ける考えを強調した。
籾井氏は、経営方針について「個人的な意見、見解を放送に反映させることはない。意見が対立している問題は、できるだけ多くの角度から論点を明らかにし、公平に取り扱う」と強調。また、政府によるNHK国際放送への要請放送に対しては「いろいろ吟味した上で受ける義務、必要がある」と語った。
安倍晋三首相は、籾井会長を任命した経営委員会の責任について「私が経営委員にさまざまな指示をすべきではない」と述べるにとどめた。
予算委はこの日、安倍首相と全閣僚が出席して平成25年度補正予算案の基本的質疑を行い、本格的な論戦がスタートした。
安倍首相は、核持ち込みなどに関する日米密約について、「ずっと国民に示さずにきたのは間違いだった」と述べ、政権として核密約問題の見解を新たに取りまとめる方針を表明した。
また、衆院の定数削減を含む選挙制度改革に関し「国会議員として難しいならば、議長の下に民間有識者による第三者機関を設けるのがよいのではないか」と改めて強調。法人税の実効税率引き下げについては「政府税制調査会で専門的観点から、2月にも検討を開始させたい」と述べた。