信用取引で証券会社に株を借りて空売りを行う個人投資家が、緩和で恩恵を受けそうだ。カブドットコム証券は規制緩和に合わせて、信用取引の手数料を最大で78%引き下げる。約定代金が10万円の場合、手数料は従来の483円から103円とする。緩和について斎藤正勝社長は「『買い』が中心の個人投資家が、『売り』にも対応できるようになる」と評価。信用取引を駆使する個人投資家が増えており、規制緩和がさらに後押ししそうだ。
個人投資家の裾野は、着実に広がっている。ネット証券7社の4~9月の売買代金は昨年10月~今年3月の約2倍に相当する約181兆円に膨らんだ。松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは「これまで株取引に見向きもしなかったような個人投資家の市場参加が加速している」とみる。
SBI証券によると、同社で新規口座を開設する個人投資家のうち、8割程度が投資未経験者といい、来年1月からはNISA(少額投資非課税制度)も始まる。