妻の年収201万円まで減税に 配偶者特別控除を拡充 政府・与党
政府・与党が配偶者控除の見直しで、妻の年収要件を現在の「103万円以下」から「150万円以下」に引き上げた上で、年収150万円超の場合も「201万円」までは控除を受けられる仕組みを検討していることが24日、分かった。控除額を段階的に縮小しつつ、世帯の手取りが急減しないよう、一定の減税枠を適用する。見直しは平成30年1月にも実施する方針だ。
現行の配偶者控除はパート主婦らの年収が103万円以下であれば、夫(世帯主)の所得から38万円が控除され、減税となる。103万円超141万円未満の世帯には、控除額を最大38万円から段階的に縮小し、税額が一気に増えるのを防ぐ「配偶者特別控除」という仕組みを設けている。
自民、公明の税制調査会は24日、それぞれ会合を開き、配偶者控除の年収要件を150万円以下に引き上げる方向で最終調整。従来の枠組みを踏襲した上で、配偶者特別控除も拡充する形で見直す方針だ。
具体的には、妻の年収が150万円以下までは38万円の控除を受けられるようにし、150万円超から201万円未満の世帯は、控除を段階的に縮小する仕組みに切り替えるとみられる。
厚生労働省の調査によると、パート主婦の93・5%が年収200万円以下となっている。配偶者特別控除の拡大により、パート主婦の大半が減税の恩恵を受けられる見通しだ。
自民、公明両党は25日に与党税制協議会を開催する。配偶者控除の対象拡大による税収減を補うための夫の年収制限の導入などについても政府・与党内で調整を進め、12月8日に平成29年度税制改正大綱をまとめる方向だ。
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■配偶者特別控除 パートなどの給与収入が年103万円超141万円未満の配偶者がいる場合、世帯主の年収から最高38万円を差し引いて所得税額を計算し負担を軽くする仕組み。「103万円以下」という年収要件を超えて働いて配偶者控除が受けられないケースでも、世帯の手取り収入が減る逆転現象が起きないように設けられている。
配偶者の収入に応じ控除は段階的に減額される。
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