日銀、3月末時点の総資産がGDPの8割突破

 

 日銀の総資産残高が3月末時点で名目国内総生産(GDP)の8割を突破したことが3日、日銀の集計で判明した。2割台の欧米中央銀行に比べて突出しており、国債などの需給が逼迫(ひっぱく)すれば、大規模金融緩和の継続が難しくなる恐れもある。

 日銀が同日公表した「平成27年度の金融市場調節」によると、3月末の総資産残高は、前年比82兆1千億円増の405兆6千億円と過去最高を更新。日本の名目GDPの81%程度に相当し、このうち長期国債が301兆9千億円を占めた。

 米連邦準備制度理事会(FRB)の保有資産は対GDP比25%程度、欧州中央銀行(ECB)は28%程度にとどまる。

 日銀がこのままのペースで資産を増やせば、計算上は来年3月末にGDP比100%に近づくが、市場では国債の需給逼迫も懸念されている。