1月景気動向指数 3カ月ぶり改善 基調判断は8カ月連続据え置き

 

 内閣府が7日発表した1月の景気動向指数(2010年=100)は、景気の現状を示す一致指数が前月比2.9ポイント上昇の113.8と、3カ月ぶりに改善した。春節(旧正月)休暇前の中国でスマートフォンの駆け込み的な増産があり、電子部品の生産が伸びた。ただ、数カ月先の景気を示す先行指数は0.4ポイント低下の101.4と3カ月連続のマイナスに。中国経済減速による年初来の金融市場の混乱を反映した形で、景気の停滞感が続きそうだ。

 内閣府は基調判断を8カ月連続で据え置き「足踏みを示している」のままとした。

 指数を構成する経済指標のうち6指標が改善に貢献。スマホ関連部品のほか、新車が投入された自動車や薄型テレビの出荷が増え、鉱工業生産指数や耐久消費財出荷指数が伸びた。

 内閣府は「1月は年度末に向け投資計画の実行が加速した」とし、市場の混乱の影響は、ほとんど出なかったとみている。

 一方、先行指数はマイナスで、12年12月(98.9)以来の低水準となった。

 構成する経済指標のうち3指標が悪化。特に、株価や原油価格の下落で「東証株価指数」が0.67ポイント低下、「日経商品指数」が0.57ポイント低下するなど、市場関連の指標の下落幅が広がったことが響いた。

 内閣府は「(海外経済などの)先行きに対する不安を示している」としており、市場からは「景気持ち直しはまだ見えてこない」(第一生命経済研究所)との声が上がっている。