異界に舞い下りた奇跡の饗宴 「和魂漢才」に身震える 国東で深化したダイニングアウト  (4/5ページ)

  • 至福の時間にゲストの顔にも笑みがこぼれる
  • レクサスに乗り込む筆者。期待が高まる
  • 国東の街道をひた走るレクサス
  • 石段を登るゲスト
  • 護摩焚き供養。一切の煩悩を焼き付くすとされる炎が燃え上がる
  • ホストを務めた中村氏(左)と川田氏
  • 説明する中村氏とゲストら。ディナー会場とはにわかに信じられない光景
  • 至高の一皿をゆっくりと味わう
  • 調理する川田氏。気合が充実
  • テーブルでパフォーマンスを見せるスタッフ。川田シェフを支える裏方も大活躍
  • 一皿ごとに語りたいストーリーがある
  • 自然と一体になった饗宴
  • 「国東開胃菜」。味わい深いオイスターに、日本と中国の古酒の香りをプラス
  • 「爆米炸泥鰌」。紹興酒の香りをまとった泥鰌のおこげ揚げ
  • 地元の野菜や牡蠣を中国茶で蒸した「岩香蒸山海」
  • 「峨眉山排骨」。唐辛子が目を引くが、口にすると桜王豚の脂の旨みが広がる
  • 鬼の形相の三島フグを使った「国東的良鬼」。地元で採れたこだわりの白米と
  • シェフが修行時代から毎年作っているデザート「爽口凍青梅」


 さらに今回のダイニングアウトのもう一つのテーマは、当地の岩山にインスパイアされた「ロックサンクチュアリ」。その「岩」をイメージした料理も見事に尽きるものだった。

 実はテーブルに無造作に置かれた自然の岩石がずっと気になっていたが、「爆米炸泥鰌」という料理が出てきて謎が解けた。紹興酒の香りをまとった泥鰌のおこげ揚げだが、器は文殊仙寺の境内の石を焼いたものだったのだ。前出の「岩香蒸山海」も熱した国東の岩と中国の岩茶で蒸し上げたものだ。

 ディナーを盛り上げるもう一つの趣向が、それぞれの料理に合わせたアルコール。たとえば「国東開胃菜」は、小ぶりで味わい深い国東のオイスターを汁のジュレと合わせ、日本と中国の30年物の古酒の香りをプラス。そこにペアリングでも上海の老酒と「西の関」の古酒を出すといった具合だ。

 ディナーの締めくくりは、川田シェフが修業時代から作り続けるデザート、「爽口凍青梅」と温かい杏仁豆腐。初夏にぴったりの爽やかな味わい、そして杏仁豆腐のふくよかな甘みが、見事なコントラストだった。

 挨拶に立った川田シェフが「和魂漢才を追い求める自分。その求めたものがここにあった」と興奮した面持ちで話すと、満座の拍手がそれに応えた。

 夢のような時間はあっという間。余韻と感激に浸ったまま、ゲストは山門を後に。静謐な世界が再び山々に戻ってきた。

◆地域を元気にしたい、その思いが共感を呼ぶ

 5月26日、27日に開催された『DINING OUT KUNISAKI with LEXUS』。ダイニングアウトとしては13回目を数え、さらに深化した。

 地域活性化も目的の一つに掲げるONESTORYのダイニングアウトは、地元をはじめ各方面の協力に支えられる事業だ。

充実感に包まれたホスト2人