もうひとつの特徴は「ネットワーク化」だ。各種センサーや兵装など艦内のシステムを光ファイバーによるLAN(統合通信網)で接続し、情報処理を一元化した。そして、このネットワークを艦外へもつなげるシステムも備え、陸上の司令部との情報統合が可能となった。
かつて第二次大戦でドイツ潜水艦Uボート部隊が繰り広げた、複数の潜水艦を集中運用する「群狼作戦」を想起させる、他艦との連携運用が可能となっている。
この高性能に目をつけたのがオーストラリアだ。現在運用中の豪製「コリンズ級」が当初計画通りの性能が出ず、不具合が続発していることもあり、次期採用の潜水艦では信頼と実績のある他国の潜水艦を導入することを決めている。
その筆頭候補として「そうりゅう型」が上がっている。製造元の三菱重工などが豪州に提案しているのは、AIPにリチウム電池を採用した「そうりゅう改型」とも呼べるもので、海上自衛隊でも今後「改」が導入される予定だ。