8歳のときにはすでに、フランス語のレシピ本を参考に手の込んだイカフライを完成させたりしていたという。「天才」と言ってしまえばそれまでの話だが、長じて一流シェフとなったペルーのガストン・アクリオ(48)の人生に肉薄したドキュメンタリー映画「料理人ガストン・アクリオ 美食を超えたおいしい革命」(原題『Buscando a Gaston』)を見ると、それ以上に、彼が限界を知らない情熱を持つ努力家であることがよく分かる。
アクリオ氏に魅せられ
「料理は人々に笑顔を与え、笑顔は世界の平和にもつながる。料理で世界を変えることができるのではないか」-。母国ペルーの地に根ざした豊富な食材を駆使したおいしい料理の追求に人生をささげ、食材の生産者、料理を学ぼうとする貧しい子供たちを含む多くの国民に笑顔をもたらしてきたアクリオは、料理を通じて母国の文化を世界へ伝える活動にも精力的だ。そんな彼の強い信念に魅せられたパトリシア・ペレズ監督は、ためらわずに撮影を申し込んだ。