【Fashion Addict】
岐阜県の岐阜市、関市、美濃市で生産される和紙を「美濃和紙」と呼ぶ。1300年以上の歴史があり昨年11月、本美濃紙の手すき和紙技術が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録されたことを契機に、さまざまな可能性を追求し、消費者に提案しようとする動きが高まっている。ファッションの分野では、美濃和紙を特殊な技術で糸にし、織物にした生地を使うことがベースで、その商品は多岐にわたっている。
味わい深い柿渋染め
岐阜市のセントラル・トレイディングでは、美濃和紙に柿渋染めを施した100%自然素材の「美濃紙布」で作った「SIBSI36」ブランドの商品を扱う。店舗にはバッグや帽子などがずらり。自然が醸し出すやさしい雰囲気に包まれる。
代表の篠原弘子さんがブランドを立ち上げたのは7年前。体調を崩したとき、自宅にあった柿渋染めをした和紙で作られた座布団の、繊細な肌触りと味わいのある色彩に改めて魅せられた。すでに生産は終了しており自ら作ろうと考えた。