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【RE-DESIGN ニッポン】美をともす 和ろうそく (1/4ページ)

2015.9.18 11:00

櫨(はぜ)100%のろうそく。手作業で櫨ろうと灯芯のバランスを整えるため、美しい炎がともる(提供写真)

櫨(はぜ)100%のろうそく。手作業で櫨ろうと灯芯のバランスを整えるため、美しい炎がともる(提供写真)【拡大】

  • 櫨(はぜ)ろうそくの原料になる櫨の実。日本でしか採取できない貴重な原料だ(提供写真)
  • 近江手造り和ろうそく「大輿」(提供写真)
  • 灯芯草(とうしんそう=イグサの一種)の随と和紙で作られた灯芯。一本一本手作業で和紙の上に灯芯草を巻き、真綿で止める(提供写真)
  • 一本一本手作業で作り上げられる櫨(はぜ)ろうそく。「手掛け」という製法で均一に形を整える(大與提供)
  • 四代目の大西巧さん(左)と三代目の明弘さん。親子であり、師弟でもある(大與提供)

 ろうそくの明かりは古来より、日本人の夜を照らし続けてきた。自然の恵みがもたらす原料で一つ一つ作られてきたのが「和ろうそく」だ。その伝統を受け継ぐのが「近江手造り和ろうそく大與(だいよ)」である。「RE-DESIGNニッポン」の第17回は、この「和ろうそく」の新たな可能性への取り組みを紹介する。

 材料100%にこだわり

 「美しいから」。大與の四代目、大西巧(さとし)さんに、手造り和ろうそくの原料や作り方、こだわりなどを問いかけると、返ってくるのが、この言葉だ。

 「美しい」には、いろいろな思いがこもっている。見た目の美しさはもちろんである。イグサと和紙からできた灯芯から、スッと高く立ち上る力強い灯火は、均整な三角形を描き、凛とした雰囲気を感じさせる。揺らぐ灯火に照らしだされた光景は、陰影を作り出し、幽玄の世界を感じさせる。

 「櫨(はぜ)100%のろうそくは、灯火の色や形状の安定感も素晴らしい。しっかりと燃焼するので油煙もほとんど出ず、ろうも垂れない」と、灯火の美しさの要因を話す。

 美しさを追求するからこそ、材料も安全・安心な植物性の材料100%にこだわる。その根底には、日本人が培ってきた物づくりに対する意識と、これを生み出す研ぎ澄まされた感性があるのだろう。

「明かり」としての存在意義

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