菅官房長官はこの日午前の記者会見で、2人がスパイ行為に関与していたとの情報について、「全ての国に対し、わが国は絶対そうしたことはしていない」と強調した。(北京 矢板明夫/SANKEI EXPRESS)
≪外国人へ過剰な警戒感 治安維持へ強まる締め付け≫
中国当局による日本人の身柄拘束で適用された「反スパイ法」は、海外スパイの摘発を目的に昨年11月に施行された。外国人らの監視や捜査にあたる国家安全省に盗聴や裁判所の令状なしでの家宅捜索など、極めて強い権限を与える一方、捜査対象者には供述を拒むことを禁じる内容だ。「法治」を掲げる習近平政権は、政権の安定維持のため治安関連の新たな法令を次々と制定、施行している。
捜査機関に強権
中国国内では、外国政府や台湾当局による情報活動を禁じるため、刑法のスパイ罪に加え、特別法でスパイ行為の摘発を定めてきた。これまでは1993年2月施行の「国家安全法」(旧法)が摘発の根拠法だったが、昨年11月に新法として「反スパイ法」(新法)が施行された。