一方で、私の結婚観は、一人の女性として夫を支え、家を守るというものです。
実際、結婚してから、朝食の用意から掃除に洗濯、帰宅後の夕飯まで家事をほぼ一手に担って、仕事と両立の日々を送っています。仕事をして疲れて帰宅する夫にくつろげる場所を提供してあげたいという気持ちがあります。結婚する前よりも早く起きるようになり、仕事に行くまで家事をこなす生活になりましたが、それを苦痛に感じたことはもちろんありません。むしろ、大切な人のためにしてあげることは幸せなことだと思っています。
こんな話をしていると、記者さんから「恋愛を語るときは、スケーター目線で、結婚を語るときは女性目線になっていますね」と指摘を受けました。改めて、私自身が競技を引退し、女性としてセカンドキャリアを歩んできたのかなと実感してしまいました。
家族の存在が力に
フィギュアスケートの世界では、男子は現役時代に結婚する選手が出てきました。織田信成さんが先駆けで、現在も無良崇人(むら・たかひと)選手は夫として父としてリンクに立っています。私自身は現役時代、自分のことで精いっぱいでしたが、男子の選手は守るべき存在ができたり、奥様にサポートしてもらったりすることで、これまで以上のパフォーマンスが発揮できることもあるかもしれません。