テリー伊藤さんに初めて会ったのは20年近く前のこと。当時新入社員だった私は上司に「今度うち(ニッポン放送)でパーソナリティーをやってもらう可能性のある人の講演を聴きに行こう」と誘われたのでした。まだ雑誌や夕刊紙以外のメディアでテリーさんの存在はほとんど知られていない頃でした。小さな会場で、シルクハットをかぶったテリーさんは30人ほどの聴衆に向かって、延々と「なぜ、江口洋介はロン毛なのか? 私は彼の耳の形が変なのではないかとにらんでいる」という話をし続けていました。
危ない人、しかし目の付けどころやアイデアがとてつもなく面白い人。この人のラジオがあったら聴きたい、と感じたのを覚えています。ほどなくしてニッポン放送で「テリー伊藤 芸能ダマスカス」が始まり、あっという間に人気番組に。当然のようにテリーさんはお昼1時からの帯番組のパーソナリティーに抜擢され、この番組で僕が中継レポートをすることになって以来の関係なのです。
テリーさんにはいろんなことをやらされました。氷の中に閉じ込められる、室内バンジージャンプ、目隠しして動物と触れ合う、スタジオに置き忘れた携帯の恥ずかしいメールを読み上げられる…本当にいろいろ。やがて自分の番組を持つことになり、テリーさんの番組を卒業する日に放送で恥ずかしながら号泣してしまったのが12年前。