3月はひな祭り。都内最大のひな人形展(3月8日まで開催)を見に目黒雅叙園に行ってきました。雅叙園といえば豪華絢爛(けんらん)な装飾や「千と千尋の神隠し」のモデルとしてもおなじみです。そんな雅叙園の「百段階段」で開催中のひな人形展。
百段階段をご存じですか? 雅叙園に現存する唯一の木造建築で、都の有形指定文化財。その途中に7つの部屋があります。いや~すごかった!! 異空間、非日常なんです。檜の階段を上がるたびにきしむ音。目もくらむような急な階段。途中の7つの部屋も装飾がすごい。らでん、彫刻、絵画をこれでもかとばかり駆使して、絢爛豪華かつ摩訶(まか)不思議な空間なんです。そんな豪華な部屋に古いひな人形が展示されてるんですが美術館で見るのとは全然違う。人形の迫力に見ている人間が負けちゃうというんでしょうか、ひきこまれるんです。
例えば、小さな映画のセットのように家や庭までつくってひな人形を飾る「御殿飾り」は、おひな様とお内裏様は家の奥にいますから、自然と顔に影がかかり、奥ゆかしい雰囲気です。他にもやたら髪の長いひな人形がいたりして「やだわ、あれ髪の毛伸びたんじゃない」なんて僕の耳元でしゃべってくるおばさまにびっくりしたり。そう、古い日本家屋、古い人形とくると見方によれば、相当怖いんです。横溝正史なんです。