その点で、この4月から具体的な活動が正式に始まる岩手県大槌町の「大槌メディアセンター」は注目に値する。これは4年前の震災で町長を含む人口の1割近くを失った反省から大槌臨時災害FM放送(倉本栄一代表)や週刊大槌新聞(菊池由貴子発行人)などが協力し、町の支援を得て、電波とネット、紙媒体が中心となり、町民参加のトータルな防災活動を具体化するものだ。
結局、自らが参加し、自らを守るという日常的な活動が広がらない限り、防災・減災活動は完成しない。それを国家や学界が補強するということでしか私たちの命や財産は守れない。このことは世界中の共通課題といってよい。(同志社大学名誉教授、メディア・情報学者 渡辺武達(わたなべ・たけさと)/SANKEI EXPRESS )